2016年10月5日水曜日

北の国からお知らせ

諸君!いや男子諸君!元気か?君たちに朗報がある!いや、吉報だ!いや、その反対だ。悪報、凶報、阿呆、棍棒、何と言うのか分からないのだが、いずれにせよ我々にとっては耳が痛いお知らせであることには違いない。いいか、心して聞け!そして是非とも立ち上がれ!
先日、私はアイスランドへ行った。そして問題はそこで起こった。男女2:2という如何にも汚らしい大学生風のメンバリングで行動していた我々だが、ヨーロッパのあのお綺麗な、お整ったお街並みを、お優雅にお散歩お遊ばせしていると、やはり、最初は恥ずかし気もなく写真を撮ったり、また、普段は見向きもしないようなお絵画をご鑑賞なさったりして、気分もルンルンルンと高揚する。しかし、だんだんと時間が経つにつれ、決して気分が悪くなるわけではないが、申し訳ないような、恥ずかしいような気持ちに押し潰され、お整った街並みもなんだか妙に落ち着かなく、家の便所でゆっくりと漫画でも読みたいような心境に至る。疲れる。人がでっけぇんだ。スタイル。プロポーション。オシャレ。ハンサム。スマート。スラッ。シュッ。キラッ。パチッ。サッ。居心地が悪い、居場所が無いとはこのことか。オシャレでキュートでファッショナブルでソフィスティケイティッドなショップを何軒か回るうちに、弥生人新モンゴロイド顔の私と、縄文人旧モンゴロイド顔の友人Nの顔は醜く引きつり、小さな背中がどんどん丸まっていくのに対し、女どものテンションは上昇気流に右肩上がり、イケメン、カッコよ、マッチョ、イケメン、カワイイ、スタイリッシュ!などと訳の分からぬカタカナコトバを叫び続け、クタクタになっている我々のことなど露知らず、疲労はおろか、恥じらいの色など微塵も伺わせない様子であった。
キャンプ場かどこかで、火にあたりながら飯を食っているときに、私とNが何を思ったか、
「やっぱり日本人が一番かわいいから好きだ」
「如何にもその通り!!」などと語り出した。どうも酒が入るとこんな話ばかりしてしまう。無論、同意を求めた我々なのであったが、女どもはズバッと祖国を投げ打ち、
「いや、でもヨーロッパ君たちほんとオシャレ」
「背たけぇし、かっけぇ、結婚してぇ、てかその前に付き合いてぇ」と、夢見るようなワクワクスマイルで語りやがった。これは日本男児のピンチではなかろうか。ここに、実地アンケート調査の結果を発表したい。

女A「ヨーロッパ君が好き 理由 オシャレでイケメンだから」

女B「ヨーロピアンが好き 理由 背高くてかっけぇから」

男N「日本人が好き 理由 かわいいから」

私「日本人が大好き 理由 言葉が通じるから」

驚いてくれるな男子諸君!私の正確な実地アンケート調査によれば、日本の男性100%が日本の女性を好きだと雄叫びをあげているのに対し、日本の女性100%が日本人よりもヨーロピアンズのほうに魅力を感じちゃっておられるのだ。さて、どうする諸君!親に従い、夫に従い、子に従ってきたレディたちの逆襲が、今まさにリアルな形となって発現しているのである!古来より日本の家を守ってきた家長たちは、とうとう独りぼっちになり、台所を守っていたはずの女性たちは、一斉にJALに乗って海の向こうへ飛び立とうとしているのだぞ!なんか寂しくないか?男の意地を見せつけろ!頼朝公や信長公がこれを見たら何を思うか。事実、外面では魅力に劣るのかもしれない。しかし、だからと言って卑屈になるな!せっせと内面を磨け!日本男児の粋なところを見せてやれ!粋だ!粋!粋!粋!粋で勝負しろ!粋な男が少なくなってんだ!カラ元気で良いじゃないか!やってやろうぜ!


        「男なら 粋で優しい 馬鹿でいろ」 桑田佳祐