2018年2月20日火曜日



「お、そろそろ来るぞ、ようし、それみろ、よしきた、おい、お前、さっきの枕の話の続きだが、俺にはどうも、っておい、待て、聞けよ、待ちやがれ、最後まで聞かんか、おい、あぁ、また行っちまった、どうしてこうもそそっかしいかね、毎分毎分、嵐のように去っていきやがる、あんなやつがいるから、きっと、男はダメだとか、つまらんだとか、意気地が無いだとか言われちまうんだ、あぁ、本当に腹が立つぜ、こちとらわざわざ待ち構えてたっていうのに、人の気も知らないで、ああいうやつを、薄情者とか言うんだろう、ちっ、やってられないぜ、俺が、わざわざ時間をとって、こうしてここまで出向いてきてるのに、お、とか言ってるうちに、あのやろう、どの面下げてまたのこのこと現れやがった、面の皮の厚いやろうだ、恥をしらねぇ、おい、このやろう、よくぞきやがったな、おい、おい、おおい、待ちやがれ、また行っちまうのかい、なんて野郎だ、無駄に期待させやがって、もう行っちまったよ、なんてこった、あんな非情があるかね、まったく、そそっかしいたら、みっともないね、あぁ、お前もなんとか言ったらどうだね。」
「何よ、あなたこそ、男のくせに、さっきからぺらぺらぺらぺらしゃべり倒して、みっともない、少しは落ち着いていられないの?」
時刻は、五時半である。
「ええい、なんだなんだ、お前まで俺をいじめるか、そんなにひどいことしなくたっていいじゃないか。だいたいなんだ、お前のほうこそ、ちょっと最近、太ったんじゃないか、それなりに、運動でもしたらどうなんだ、その点に関しては、あいつを少しみならって、もうちょっと、動け、やや、怒るなよ、そんな顔でにらんでくれるな、その、なんだ、お前のその、綺麗な顔が、台無しだぞ。」
「なんです、急に気持ちが悪い。」