2018年2月19日月曜日

ピクニック



何の音楽を聴いても、どんな音楽を聴いても、どこで聴いても、Kさんのことばかり思い出してしまう。それがいやでいやで仕方がなくて、流れている曲をころころころころ変えてみるのだけれど、余計にその幻影が脳から離れなくなってきて、あぁ。

鶴屋町の感じが、なんだか変わってきた。クリエイトとか、変なコーヒー屋さんとかできて、だんだん綺麗になっていくのだろうけど、ちょっと、寂しい。鶴屋町は、きたない。観光客はきっと一人もいないと思う。ここを歩いている人は、みんなここで何かをしている人なのだと思うと、自分が実際に歩いているとき、そんなチーム鶴屋町のメンバーになれたようで、嬉しくなって、オーシャンズ11みたいな雰囲気で堂々と歩きたくなる。
自分がここへ初めて来たのは、高校三年生の、ちょうど今ぐらいの時期だった。自分はいわゆる横浜を「知ってる」友達に連れられて、鶴屋橋を渡ったところの、カラオケバンガローへ行った。バンガローは、自分の住んでいる町にはないカラオケ店だったので、ソフトドリンクが飲み放題であることにすごく驚いた。
Kさんは、そこにいた。
自分はソフトドリンクが飲み放題であることにはしゃぎすぎたのか、ついついシャーベットジュースみたいなのを飲みすぎてしまって、トイレへばかり行っていた。そうして、つい、帰る部屋を間違えてしまったのだ。その部屋には、おそらく大学生と思われる人たちが六人ほどいて、それこそ酒池肉林の大騒ぎみたいな状況だった。自分は、びっくりして、こわくて、すぐさま扉をしめて、逃げようとしたのだが、腕を