2018年2月10日土曜日

ながぐつをはかなかった猫



長靴をはいた少女の横を1匹の猫が通り過ぎていく。
トラックがやってくると、ふと猫は足を止め、次の瞬間時が止まった。




次に目を覚ますと、あたたかい陽だまりの中にいた。
ここはとても静かだ。余計なものがなくていい。
他人がいること自体が居心地が悪いのだ。


もう自分名前も忘れてしまった。
だがそれもどうでもいい。どうせ、人間が勝手に付けた名前だ。


猫は、もうここに来るのは9回目だった。だいたいどうやって来たらいいのかも分かってきた。
のどをごろりと鳴らし、猫はようやく、永遠の眠りについた。