2016年11月16日水曜日

マナビスinワンダーランド


☆ヨドバシーファミマ通り 昼


 ハーマイオニー、マナビス方面へ向かい歩いている。
 
 清水、登場し、後ろから話しかける。

清水「ハーマイオニー先生、おはよう。」

H「あら、清水くんおはよう。」

清水「最近よくかぶるね。調子はどうだい?」

H「そうだっけ?調子が良いとは言えないわね。昨日も大学で教授に、君のレポートは長過ぎて読めないって言われたわ。あれは教育者としてどうなのかしら。」

清水「そりゃ、まいっちゃうねぇ。その教授は女の人?」

H「えぇ、そうよ。」

清水「そしたら、ハーマイオニー先生があんまりきれいなもんだから、意地悪してるのかもしれないね。」

H「言われてみれば、確かに容姿が整っているとは言いがたい人だわ。」

清水「ハハ、そうなんだ。」



 中原、津島、二人の10メートル後ろを歩いている。


中原「ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん!ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん!ぎっだぎだぎだぎだ!ゆやゆよん!何か、僕に、食べさしてください!」

津島「中原くん、うるさいよ、今食べたばかりじゃないか。ほら、前。」

中原「えぇ?あれは清水先生と、確か、イギリス人の、、」

津島「ハーマイオニー先生だよ。」

中原「ほう、清水先生とあの美女は良い仲なのか?」

津島「どうも、それは違うねぇ。僕の見る限りでは、清水のダンナの一方通行だ。あのハーマイオニー先生という人は、そういったことにとことん疎いと見える。学問以外のことはさっぱり興味がないそうだからね。」

中原「へぇ、そんな人がいるのか!にしても、津島は詳しいんだなぁ。」

津島「僕は一年のときからこの塾にいるからねぇ。あの二人よりも古株だよ。でもまぁ、講座の数じゃ、もう君に抜かれちまったがね。」

中原「津島はいつもあの部屋で、何をしてるんだ?受験はしないのか?」

津島「分からない、何をしているのか、何をしたいのか、何をすべきなのか、一向分かった例がないんだ。中原くんは?受験校は決まったのかい?」

中原「僕は東京外大に行って、フランス語をやるつもりだ!ランボーを翻訳してみたいんだよ。」

津島「中原くんはやっぱりいいねぇ。君はきっとすごい人になるんだろうなぁ。僕にはそれが楽しみでしょうがないよ。」

中原「そうかな?だと良いんだけど。でも津島も頭は良いんだろ?噂には聞いているぜ。」

津島「たとえ頭が良かったとしても、それを活かせないようなら、やはりきっと馬鹿なんだろう。」

中原「とにかく今日は良いお天気だな!」

 二人、安田ビルの中へと入っていく。




☆マナビス エントランスホール

 ハーマイオニー、電話している。

 中原、津島、入ってくる。

清水「こんにちはー。」

中原「チョリース!」

津島「ダンナ、簡単に諦めちゃいけないよ。向こうは気づいてないだけなんだから。」

清水「え?」

中原「先生!頑張ってくださいよ!席はいつものとこでお願いします!!!ヤッホー!」

 中原、自習室に走りながら突っ込んでいく。

清水「あ、帽子脱いで、、、、。どうしたの?今日はすごい元気だね。」

津島「なんか天気がいいから、嬉しくて仕方がないそうですよ。先生、中原くんは滅茶苦茶面白いですね。」

清水「だろ?紹介してよかったよ。」

津島「いやいや、僕なんかにはもったいない。本物を目の前にすると、偽物は興奮もしますけど、やはり悲しくもなるもんです。」

清水「ん、また難しい考え事か?勉強しろ、勉強。あっちの部屋?」

津島「はい、あっちで。」

清水「好きだね、あっち。」

津島「うむ、静かですから。」





☆ヨドバシーファミマ通り 昼

 千秋、マナビス方面へ向かい歩いている。

 のだめ、登場し、後ろから話しかける。

のだめ「せんぱーーい。」

 のだめ、抱きつこうとするのを、千秋にかわされる。

千秋「道の真ん中で突然奇声を出すな!それに俺はお前の先輩じゃない、同級生だ、いやむしろお前の方が若干先に生まれている。」

のだめ「せんぱい怒ってるんですかー?どうしたんですかー?お熱ですかー?あー、大変、のだめと、おでこごっちんして温度確かめないと。。。」

千秋「やめろ、馬鹿がうつる。。。」

 千秋、のだめを投げ、先を急ぐ。





 のだめ、ファミマの前で倒れている。

のだめ「きゃぽ。。。。。」

?「おい、どうした?おきんかい、おい。」

のだめ「きゃぽ。。。。。」

?「誰か、人が倒れてるちゅうき、たすけてつかんさい!だれかおらんか!」

のだめ「きゃぽ。。?のだめなら、大丈夫ですよ、お兄さん。」

 のだめ、起き上がる。

のだめ「きゃぽ!いけめん。。。」

坂本「そうかい、無事かい、ならよがった。じゃあの。」

のだめ「マナビスに行くんですか?」

坂本「まぁ、そうじゃき、なんだ、おまんもかい?」

のだめ「はい、のだめです、以後おみしりおきを。」

坂本「わしゃ、坂本龍馬ぜよ。好きな科目は英語じゃ。」

のだめ「のだめも英語です。。頑張ってます。。」

坂本「おう、そうかい?じゃき、一緒に頑張ろうのぉ!」

のだめ「のだめ頑張ります。」






☆安田ビル 一階 エレベーター前

 千秋、エレベーターの『開く』ボタンを押している。

千秋「くそっ、あいつ、いつまで待たせやがるんだ。」

 千秋、自動ドアの外の様子をうかがっている。