これまで幾度となく挑み、失敗を重ねてきた。”今日で最後”、何度目の決意であろうか、そう考えると己の意志の弱さに愕然としそうになる。しかしながら、そんなことはどうでもいい。今日で最後なのだから。
最初から嫌だったのだ。元来、人前で笑顔を作り、へこへこと頭を下げるようなことは嫌いだったのである。あぁもう嫌だ、何度思ったことか。そんな日々も今日でおしまいである。せいせいしている。やってやったのだ。私は今日から自由なのだ。まさに、悲願の達成。そうだ、今日という日を独立記念日とするのだ。毎年祝うのである。
誰を誘うか、これが問題である。
私がこれを始めてから４年がたった。４年とは、案外長いものだ。ここで多くの人間とであった。決して悪い人たちではなかった。嫌いな人は1人もいないのだ。もう一度会いたくないといったら嘘になる。嘘は言いたくない。そういう人間なのだ。だから言おう。
みんなが好きだ。私はみんなが大好きなのだ。
しかし今回は違う。決意の重さが違うのである。これで最後にするのだ。もう嫌になったのだ。私は誰かに辞めさせられるのではない、自分から辞めてやるのだ。なんせ意気込みが違う。ずっと消え去りたかったのだ。名残惜しくなどない。
そう自分に言い聞かせて帰るのである。
